川井憲次作曲のオススメの曲『Convenience Clime 活劇篇』(THE NEXT GENERATION パトレイバー オリジナル・サウンドトラック2)
どうも、ストリングス大好きももんが@けんじけんです。
2014年4月より順次上映された『THE NEXT GENERATION パトレイバー』。その最終章の上映も既に終了し、長編劇場版『首都決戦』の上映を待つばかりですが、今回オススメするのは第3章エピソード4『野良犬たちの午後』(監督:辻本貴則)で使われた『Convenience Clime 活劇篇』です。多少ネタバレになるかもしれませんが、是非とも観て(聴いて)欲しい作品なので、このブログを読んでから観るか、観てから読むか。サントラを聴いてから観るか、観てから聴くか……あなた次第よ♪ ってことで。
曲はテロリストが籠城するコンビニに、カーシャが突入するところから始まり、銃撃戦〜銃剣とナイフの格闘〜そしてテロリストが倒されるところで終わります。
『パト2(機動警察パトレイバー2 the Movie)』っぽい、ゴッゴッゴッというコントラバス(たぶん)が刻む低い音色で、シリアスに始まります。派手でテンポの良い曲ですが、4回ほどそれまでの流れをプッツリ切って、ほわ〜んと女声スキャットが入ります。なんだか神々しささえ漂うソプラノです。うっかりサントラを先に聴いてしまった私は、神秘的な音楽空間に興味津々。一体どんなシーンなんだ!?
本編を観てみると、以下のシーンにスキャットが付いています。
(秒数はサントラに収録された『Convenience Clime 活劇篇』全4分30秒中のもの)
- 40秒付近 テロリスト(手下)がおにぎりを投げつけられる
- 1分42秒付近 熱々おでんが宙に舞う
- 2秒00秒付近 熱々おでんが宙に舞う(2回目)
- 4分10秒付近 テロリスト(手下)がカーシャに倒される
映像がスローになり、それに合わせたゆったりとしたスキャットが重ねられています。4回目以外は完全にギャグシーンですな。特に熱々おでんが銃撃にさらされ、身を潜めた人質たちの上に降り注ぐ……ダチョウ倶楽部的シーンが最高です。
DVD/ブルーレイに収録されている欠席裁判方式オーディオコメンタリー*1 によると、押井監督はおでんがスローで宙に舞うのがお気に召さない様子でしたが、同時に「音楽がなかったらどうするんだ」的なことも仰っていました。気に入ろうが気に入るまいが、コミカルなシーンに音楽のこのアプローチ。遊び心とセンスが光ります。
何度も言いますが、私はストリングスが大好きです。
スキャットにぶった切られて中断する深刻なムードのストリングス、そしてスキャットが終わると何事もなかったように再び始まるストリングス。最後のスキャットの手前、25秒間ほど深刻に執拗に繰り返され、盛り上げて盛り上げて盛り上げるストリングス。
そんなストリングスが最高に愛おしいです。
実は、おでんの熱々シーンは上記以前にもう1回あるんですよね。このときは具なしで出汁だけが飛び散り、スローにもなっておらず、スキャットも入っていません。前フリって感じでしょうか。
食べ物が飛び交うシーンでスキャットが入るのかと思いきや、焼そばU.F.O.のシーンでは、スローと通常スピードのカットが繰り返され、スピード感のあるシーンとなっており、スキャットは入っていません。
テロリストも倒され、曲が一旦終わってから、何故か佑馬までカーシャに倒されるシーンでも同じスキャットが入り、そのままタイトルの『野良犬たちの午後』が表示されるという塩梅です。
この曲以外にも、突然「ドリフ」が入り込む『出撃準備601』。
突然『犬のおまわりさん』が入り込む『大捜索』。
一体どんなシーンなんだ!? という曲が『TNGパトレイバー』にはいくつか存在しますので、是非聴いて、観て下さい!
さて、長編劇場版『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』の公開まで1ヵ月を切っております。
『パトレイバー』と言えば「川井憲次」。
「川井憲次」と言えば『パトレイバー』(個人の感想です)。
スターチャンネルの『週刊パトレイバー』3月28日放送分に、川井さんのインタビューがありました。
観逃した方もご安心を。スターチャンネルのサイトやYouTubeで観ることができます。
http://www.star-ch.jp/patlabor/movie/#episode18
音楽の収録風景もありますよ♪
*1:今回は辻本監督を除いた、押井監督・湯浅監督・田口監督によるコメンタリー