ほぼ隔週刊けんじけん

作曲家:川井憲次に関する最新情報を集めている憲次力研究所(けんじけん)のブログです。

『天地咆哮』(『Fate/stay night)』より)

【作曲家・川井憲次の楽曲について、色々語ってみるブログ/第85回】

Fate/stay night(テレビアニメ版)』
 2006年1月より6月まで放送。全24話。
 原作:TYPE-MOON
 監督:山口祐司
 シリーズ構成原案:奈須きのこ
 シリーズ構成:佐藤卓哉
 脚本:佐藤卓哉志茂文彦花田十輝岡田麿里
 キャラクター原案・監修:武内崇
 キャラクターデザイン:石原恵
 音響監督:辻谷耕史
 声の出演:杉山紀彰川澄綾子植田佳奈諏訪部順一中田譲治ほか 
 アニメーション制作:スタジオディーン

 
 たか厨@けんじけんです。
 今回は『Fate/stay night』より、おすすめの1曲について書かせて頂きます。
 さて本作の前日譚・第四次聖杯戦争の模様を描いたテレビアニメ『Fate/Zero』(音楽:梶浦由記)が現在、絶賛放送中です。
 その『Zero』の放送開始前に「第五次聖杯戦争を復習しときなよ」という配慮でしょうか? 先頃、本作がキッズステーションで集中放送されたので、筆者は本放送から5年ぶりに見返してみました。
 しかし、ただ見返すだけでは、けんじけんの名折れ(笑)。そこで、本作の為に用意された楽曲で、筆者が一番のお気に入りである『天地咆哮』がどのシーンで流れたかに注目しつつ、鑑賞してみました。

 まずは『天地咆哮』について。同曲は2分28秒の合唱曲です。
 男女混成合唱で始まり、男声、女声が呼応しながら、高まり、うねりながら、頂点へと盛り上がっていく曲です。
 刻み上げるビートに合わせて、密度を増していくコーラスに身を浸していると、とてもテンションの上がってくる曲ですね。
 川井さんの作った合唱曲では、2001年の映画『Avalon(アヴァロン)』の『Log off』『Log in』に次いで、筆者が愛する曲です。……余談ですが、本作のヒロインの一人であるセイバーはアヴァロンと縁の深い人物でしたっけね。


 『天地咆哮』は、本作で初のサーヴァント同士の戦闘である、第二話『運命の夜』でのアーチャ―VSランサー戦で初登板します。
 ただ、この時はAパートのラスト近くで曲が流れ始め、アイキャッチと共に曲が終了するように、わずか30秒(泣)に編集されたバージョンでした。
 Bパート冒頭、アーチャ―VSランサー戦の続きと共に、『天地咆哮』が再び曲頭からスタート! ところがランサーが、闘いを士郎に目撃されていることに気づき、戦場から離脱。以降、士郎とランサーの追跡劇にドラマが移行。結局、流れたのは1分20秒の短縮版で、「士郎がランサーの槍で串刺しにされ、床に倒れ伏すところで、ちょうど曲が終わる」という風に編集されたものでした。しかも曲の後半はボリュームがかなり絞られ、士郎とランサーの芝居に、視聴者の注意が集中するようにミキシングされとりました(涙)。
 『これは曲の持つポテンシャルに対し、かなりカタルシスに欠ける、勿体ない使われ方をしちゃってるんじゃないかな〜』
 というのが、第二話での『天地咆哮』の初めて&二度目の使用を聴いての感想でした。
 その後、『天地咆哮』が本作で再び鳴り響くまでに、実に約10話を費やします。

 以下、本作で使用されたシーンを列挙すると(【完全】とは『天地咆哮』のオリジナル版が曲頭から曲の最後まで流れたことを指します)、
・第十一話『鮮血神殿』:セイバーVSライダー戦
              および慎二が士郎に締め上げられるシーン(笑)【完全】

・第十四話『理想の果て』:アーチャ―VSバーサーカー
               【編集されて3分25秒の長尺版に】

・第十九話『黄金の王』:セイバーVSアサシン戦および士郎VS葛木(くずき)戦
              および桜を守る凛に迫るキャスター
               【編集されて3分28秒の長尺版に】

・第二十二話『願いの果て』:ランサーVSギルガメッシュ戦【完全】

・最終話『全て遠き理想郷』:セイバーVSギルガメッシュ
                および士郎VS綺礼(きれい)戦
                 【1分20秒の短縮版】

 以上のように、本作において『天地咆哮』は100%、戦闘関連のシーンで使用されていました。
 英霊たちの繰り広げる神話的な闘いを、壮大に彩る楽曲だったと言えましょう。まぁ第十一話で士郎にヤキを入れられる慎二のシーンにまで流れちゃったのはともかくとして(苦笑)。
 編集されて使われていることが多いというのも、今回見直してみての発見でした。曲の構造が明確なので、編集して短くするにも長くするにも適した曲だったのでしょう。
 シリーズ全24話を通して、7回の使用というのは、多いのか少ないのか、いささか判断に迷いますが、個人的には『Fate/stay night』の戦闘を象徴する主要曲の一つだったと思っています。

 そして『天地咆哮』の遺伝子は、川井さんが引き続き担当された、2010年の劇場用アニメ『Fate/stay night Unlimited Blade Works』の楽曲『運命の夜-UNLIMITED BLADE WORKS-』に息づいていると、筆者は考えていますが、それに関しては、また機会を改めまして……。