ほぼ隔週刊けんじけん

作曲家:川井憲次に関する最新情報を集めている憲次力研究所(けんじけん)のブログです。

劇場版 Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS

 たか厨@けんじけんです。
 去る1月9日、アニメーション監督・山口祐司氏の急逝が公表されました。
 今回は追悼の意を込めて、丁度10年前の今日、公開された、山口氏が監督を務め、川井さんが音楽を担当した『劇場版 Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS』を取り上げます。 


『劇場版 Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS
監督:山口祐司
原作:TYPE-MOON
脚本:佐藤卓哉
キャラクター原案:武内崇
キャラクターデザイン・総作画監督:石原恵
音響監督:辻谷耕史
音楽プロデューサー:西村潤
アニメーション制作:スタジオディーン
声の出演:杉山紀彰川澄綾子植田佳奈諏訪部順一中田譲治関智一 ほか
公開日:2010年1月23日
上映時間:106分

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 本作は、『Fate/stay night』テレビシリーズ第一作(2006年放送)の山口監督以下の主要スタッフ(含・川井さん)が再結集して、原作ゲームの遠坂凛ルートである『UNLIMITED BLADE WORKS』を映像化したものです。
 セイバー・ルートを全24話かけて、じっくり映像化したテレビシリーズ第一作に対し、本作は単発の劇場作品として、106分で凛ルートの発端から結末までを網羅したために、ストーリーがかなりのダイジェストになっているのは否めません。
 筆者も10年前の劇場公開時、本作を鑑賞した時、正直「圧縮展開で、えらく慌ただしい映画だな~」と戸惑ったものです。
 後年、凛ルートは、スタッフ、制作会社を一新し、テレビシリーズとして、再映像化されましたので、「凛ルートのストーリーの全貌を知りたい!」という方には、そちらをオススメします(川井さんは参加されていませんが)。
 そのうえで、本作は音楽劇として楽しんでみてはいかがでしょうか?
 衛宮士郎が、遠坂凛が、セイバー&アーチャーを初めとするサーヴァントたちが、壮大な音楽をバックに死闘を繰り広げる音楽劇として観るのです。
 テレビシリーズ第一作のような録り溜めではなく、川井さんが使用シーンごとに、書き下ろした楽曲の画面との一体感は、特筆すべきかと。
 川井さんがテレビシリーズ第一作とその後のキャラクター・ソングの作曲を経て、『Fate』の作品世界を完全に掌中にしたうえで、練り上げられた本作の楽曲の数々は、川井版『Fate』ミュージックの集大成といえる仕上がりとなっています。
 本作は戦闘シーン&見せ場の釣瓶打ちで、ストーリー面で、説明不足のせいか、よく分からない箇所も確かにありますが(苦笑)、演出のテンポも良く、各戦闘シーンも工夫されており、退屈する暇だけはないですね。
 故・辻谷耕史音響監督がディレクションした声優さんたちの熱演、劇場版らしい密度の濃い作画など聴きどころ、見どころも多く、何者でもなかった一人の少年が、己の進むべき道を見つけるまでの成長譚として、疾走感のある熱いフィルムにはなっていると思います。

 最後に、山口祐司監督のご冥福をお祈りいたします。


※過去に、けんじけんのブログで取り上げた、山口祐司監督版『Fate/stay night』の記事一覧はこちら。
 http://bit.ly/38nKghX

 

TYPE-MOONFate/stay night -15年の軌跡-、本日からの展示テーマは、「2.“Unlimited Blade Works”」です!
type-moon-museum.com