けんじけんブログ

作曲家:川井憲次に関する最新情報を集めている憲次力研究所(けんじけん)のブログです。

オススメの曲『Fate/stay night』キャラクターイメージソングシリーズ

どうも、D-01です。
先週のSSさんに続いて「『Fate』強化月間」〜♪
そして川井憲次ファンの中では悲しいかな、あまり注目されることのない「歌曲」ピックアップ〜!

最近のアニメは登場キャラクターが歌うキャラクターソング、いわゆる「キャラソン」が出るのが当たり前な風潮です。
その声優の固定ファンが買ってくれるので、ぶっちゃけサントラより売れてしまったりします。
若手作曲家に与えられる「腕試しの場」にも使用されたり。最近だと、川井憲次師匠の甥であるカワイヒデヒロ氏が『ちはやふる』のキャラソンを手掛けていましたっけ。
業界的にはそんな立ち位置ですが、『Fate/stay night』のキャラソンは、その多くを川井憲次師匠が手掛けています。


さて、音楽的に「キャラソン」というものは、さじ加減が難しい特殊なジャンルです。
単に声優に歌わせれば良いというものではなく、「その声優が演じたキャラクターが歌っている」という風に聴こえなくてはなりません。
いくら曲が良くても、そのキャラクターと乖離(かいり)した曲は論外なワケです。
Fate』ではどうでしょうか……?


その1『遠い夢』 歌:セイバー川澄綾子



まずはメインヒロイン、セイバーの登場です。
セイバーといえば、騎士道精神を重んじる、生真面目な頑固者。
しかしこのキャラソンでは、普段の喋りよりも1オクターブ高い「少女の様な」声で静かなバラードを歌いあげます。
最初にこの歌を聴いたとき、ちょっと違和感を感じました。
けれども、歌詞に注目してみると、運命に翻弄されて無くしてしまった本来の自分、主人公・士郎に出会えたことで変わっていく想いなどが綴られています。
もしかしたらセイバーは本来、こんな声だったのかもしれませんね。
そう思うと納得の曲です。


その2『KIRARI』 歌:遠坂凛植田佳奈


このキャラソンシリーズで自分が一番好きなのがこの歌です。
曲としての良さもそうですが、なんといっても「凛が歌っている!」と普通に感じられるのがイイのです。
前向きで真っすぐな彼女らしい明るく軽快な曲調と歌詞。
インスト的な視点でいえば、間奏と後奏で流れるアコギが最高です♪
(たぶん弾いているのは師匠自身)


その3『笑顔ひとつで』 歌:間桐桜下屋則子


主人公に想いを寄せる(このルートでは)報われないヒロイン、桜が切々と一方通行な想いを綴るバラードです。
この歌のどこがイイって、それはサビの最後の最後です。
音楽的にはちゃんとメロを着地させた方が安定して聴こえるのに、敢えて浮遊感を漂わせたまま終わるメロディー。
これが桜の「置き場のない切ない想い」を巧みに表現していて心に染みるのです。


その4『月の涙』 歌:イリヤ門脇舞以


雪国の少女っぽい、透明感溢れる軽やかな曲。
でも。
イリヤって歌唱力イマイチやな……」
と思ったのは君と僕だけの秘密だ。


その5『誘い』 歌:キャスター(田中敦子


これまでの4曲と違い、オトナなイメージ漂うバラードです。
歌うは我らが田中“少佐”敦子!
ちなみに曲名の読みは「さそい」じゃなくて「いざない」です。
「オトナな曲」だけあって、シリーズ随一の難しいメロディが特徴です。
ちなみに本編ではほとんど描かれなかった彼女の御尊顔を拝めるので、ジャケ買いするのもアリです。


これらの作詞はすべて、こさかなおみ氏の手によるもの。
川井&こさかコンビは、これ以前にも『ガンパレード・マーチ〜新たなる行軍歌〜』の主題歌やキャラソン、『スターシップ・オペレーターズ』のキャラソンなどでも見ることができます。


Fate』のキャラソンは8人まで発売されましたが、川井憲次師匠が手掛けたのは5枚目まで。
しかし「各キャラソンの帯にある応募券を期間内に送ると、もれなく藤村大河イリヤのデュエットソングがもらえる!」とのことで。
しかも当時その曲を誰が手掛けるかの情報は事前に得られず。
仕方なく8枚買って応募しましたよ。
結果は、全然別の人の曲だったんですけどね。
そこはソレ、ヒロバシラガール。

ちなみに6枚目、ライダーのキャラソンは自分の好きな大久保薫(『sola』や『みなみけ』の主題歌を手掛けた方です)だったので聴きましたが、7枚目、8枚目は応募券だけ切り取ってそのまま放置……。
今調べたら、どちらも福山芳樹が手掛けていたのね。今ではすっかり「JAM Projectの人」ですが、JAM加入前に所属していたバンド「HUMMING BIRD」はファンクラブに入会してライブを追っかけするほど好きでした……というのは割とどうでもいい話。


『遠い夢』『KIRARI』『笑顔ひとつで』の3曲は、ベスト盤にも収録されています。

このアルバムには川井さんが編曲を手掛けた主題歌『disillusion』、前回SSさんがとりあげた『La Sola』、そして新たに川井さんが書き下ろした『imitation』という歌も収録されています。
まとめて聴く分にはコチラのアルバムがオススメですが、アルバムにはカラオケが収録されていないので、川井サウンドを味わい尽くすのであれば各曲単体で聴いて欲しいところです。