「百人一首の読手」と「民謡コーラス歌曲の歌い方」についての素人講座コラム
ガチョピン@けんじけんです。
昨年のコミックマーケット89にて当サークルの本をお買い上げいただいた皆様、お立ち寄りいただいた方、ありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。
年も明けて、学校行事も本格的に始動! の時季でしょうか。
私は、小学生対象の百人一首大会の読手をかれこれ10年ほどやっております。
人手が足りず、審判をやりながら読み上げ、動き回るのでマイクは使えません。「聞いてなかったー」「聞こえなかったー」と児童からの声も多く、読み上げCDのランダム再生ではうまく運営できず、ノーマイクで小一時間ほど頑張るしか無いのです。
そこで、日ごろより「民謡コーラス歌曲」である『百禽』(『めざめの方舟 Original Soundtrack』 に収録)や『傀儡謡_怨恨みて散る』 (『イノセンス オリジナル・サウンドトラック』 に収録)などの歌曲で自己流のボイストレーニングをしています。好きな歌で練習するのだから、楽しいことこの上ありません。演劇部の発声練習のように、河川敷の土手で声を張るのが好きです。
※なお、競技かるたの公認読手になるためには公式の資格が必要です。が、ここでは「楽しむための百人一首大会」の読手のための練習技をご紹介いたします。あくまでも私流のやり方ですのでご了承願います。
かるたの読手と共通する歌唱ポイントは、
・ひとつの音(おん)を長く伸ばすところ=「ビブラート」と呼ばれる歌唱法
・腹式呼吸
です。
川井さん作詞の古語による歌詞も、百人一首と通底して、発声の参考になります。和語の少ない現代語の歌詞で作られた歌では、百人一首の練習にはうまく合いません。
また、腹に力を入れないと、よく通る声が出ません。小一時間かけて、百首を読み上げるにはスタミナも必要です。
だからこそ一曲が5分超の、『百禽』や『傀儡謡_怨恨みて散る』 などの歌曲で繰り返し練習する意味があるのです。
【用例】
百人一首・例)あさぁーぼらけぇー うじのかわぎり たえだえにぃー あらわれーわたるーせぜのあじろぎぃー
『百禽』・例)みーことぉー
『傀儡謡_怨恨みて散る』 ・例)うらーみてぇーちーるぅー
※「ぁ・ぇ・ぃ・ぉ・ぅ」の箇所はビブラートを効かせる箇所。あまり効かせ過ぎるとくどくなりますが、上の句の終わり、下の句の終わりに施すと歌の余韻が残り、取り手の猶予にもつながるので、読手としては覚えておきたいコツです。
百人一首の読み上げには、独特の抑揚というか節があります。上手な人の読み上げや、読み上げCDを聞いて、まねをするのがオススメです。ここも、「民謡コーラス歌曲」で練習することで、上達できます。音の高低を正しく聴き取り、歌うことで身に付くのです。
そして、練習の成果として副次的効果が!
・和語の美しさと意味に気が付き、言語的センスに磨きが掛かる
・いざというときに大きな声が出せる
・コミケの売り子で、売り上げに貢献できる(?)
という、うれしい(?)産物が身に付くことでしょう。
百人一首の読み上げなど、ニッチな練習にも効果があることをご紹介しましたが、ストレスの解消や、呼吸器の鍛錬にも、歌には効果のあることが医学的に証明されています。聴くだけではなくて、歌うともっと楽しいよ! ということで〆させていただきます。
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