ほぼ隔週刊けんじけん

作曲家:川井憲次に関する最新情報を集めている憲次力研究所(けんじけん)のブログです。

『Pre Heavy Armor』(『機動警察パトレイバー』より)


レグルス@関西人です。
今回は実写版長篇映画公開直前ということで、『パトレイバー』から。


機動警察パトレイバー the Movie』のオープニング一連のシーンにおいて、映像と音楽の完璧なまでのシンクロぶりと、曲自体の完成度に度肝を抜かれた名曲『ヘヴィ・アーマー』(以下、オリジナル版)。
長寿&人気シリーズゆえか、『パトレイバー』シリーズには同じ曲でも、複数のアレンジがある曲が多いのですが、この曲もその1つです。
どれにも甲乙つけがたい魅力があるのですが、今回オススメしたいのは『Pre Heavy Armor』(以下、本曲)です。


他のアレンジ版はオリジナル版を微妙にアレンジしたものですが、本曲だけ「原型」という感じで、明らかに別のメロディ、構成になっています。私は当初、ボーッと聴いていて、同じ曲だとは気付きませんでした。ある時ふと、紛れもなく同じ曲だと気が付きました(^_^;)


冒頭、エレキでの「ジャッジャッジャ……」という引っ掻くようなリズムが恰好いいです。オリジナル版ではエレキの代わりにストリングスで「デーゴッ、デーゴッ……」というメロディが加わって、さらに重さ、暗さ、緊迫感が増しています。


続いて映画ではヘリからのミサイルが命中するあたり(ちゃんとシンセによるミサイルの発射音が入っているあたり、さすが川井さん)。ここからの勇壮かつ歯切れの良いストリングスが、オリジナル版と雰囲気を異にする最大の要因だと思います。


さらに躍るような華麗な技巧によるエレキがうなり、活躍する空挺レイバーの勇姿が目に浮かぶようです。……が、ご存知の通り、映画では苦渋の制圧という感じで、爽快感とは対局の演出のためか、エレキはなし。タイトルが出ると同時にエレキのソロがうなる構成になっています(だからこそ、溜めに溜めて登場するエレキに燃えるのですが)。


本曲は期待感たっぷりに映画の幕開けを彩るタイプの、これぞ正統派ヒーロー映画のオープニング曲! ともいえる一曲です。
総体としてメロディで聴かせる、基本的には呑気な感じのあるOVA版の雰囲気もあり、ひたすらシリアスな映画として完成されたオリジナル版との違いが見えて来るのが面白いと思います。
是非、聴き比べてみて下さい。




本曲はこちらに収録

機動警察パトレイバー PATLABOR CD BOX機動警察パトレイバー PATLABOR CD BOX

日本コロムビア 2007-03-21



オリジナル版はこちらに収録

機動警察パトレイバー メモリアル・コレクション・シリーズ PATLABOR ORIGINAL SOUNDTRACK ALBUM VOL.5“INQUEST”機動警察パトレイバー メモリアル・コレクション・シリーズ PATLABOR ORIGINAL SOUNDTRACK ALBUM VOL.5“INQUEST”
川井憲次 サントラ

日本コロムビア 2006-03-01