けんじけんブログ

作曲家:川井憲次に関する最新情報を集めている憲次力研究所(けんじけん)のブログです。

作品紹介[貞子3D]

こんにちは。けんじけん@ガチョピンです。今回のお題は、『貞子3D』です。現在公開中の『クロユリ団地』のミノル君も憧れの(宣伝用プロフィールより)Jホラー界の公認様の登場です。

監督: 英勉
脚本: 藤岡美暢、英勉
原作:鈴木光司
出演者: 石原さとみ瀬戸康史山本裕典田山涼成橋本愛
音響効果:柴崎憲治
脚本協力:伊藤和典
上映時間: 96分
公開日:2012年5月12日


 鈴木光司の書き下ろし小説『エス』を原作とし、映画版『リング』シリーズが、『リング('98)』『らせん('98)』『リング2('99)』『リング0 バースデイ('00)』の4作で一端、完結を迎えた12年後に製作されました(ちなみに川井さんは『リング』『リング2』を担当)。
 今作は、映画シリーズ第5作目にしてして、シリーズ初の3D立体映画(3D/2D同時公開)です。

 『リング』自体を「貞子って髪の長い怖い女が井戸から出てきて何かするんでしょ?」程度にしか知らなくても楽しめる作品に仕上がっています。

 『リング』はVHSテープが作中の鍵になっておりましたが、VHSも、アナログテレビもなくなってしまった現在には、似つかわしくない・理解しがたい面もあり、その点を考慮した結果の21世紀版『貞子(シリーズ)』と解釈してもよいと思われます。

 記録メディアの変遷による新作品の登場……。文化・芸術もそれに伴うのですね。
 
 私は劇場では未観賞。DVD『貞子3D 2Dバージョン』にて観た次第です。
 「劇場だったらこのシーンで、飛び出してくる映像にのけぞっただろうなぁ」と思われるところもありましたが、さにあらず。DVDだからでしょうかね。

 『リング』のような特徴のある、「バイオリンの弓を用いた、きしむようなヒステリックな楽曲」はあまり聴き当たりません。しいて言えば、主人公カップルが二人だけのシーンで流れる曲が4回登場し、印象的でした。
 発注メニュー風にたとえるなら、「もの悲しげだけど、安堵に包まれ、ほっとする曲調」というべきでしょうか。
 
 「S」の復活……が今作のテーマですが、この「S」を音響効果の柴崎憲治さんの「S」としか私には認識できません。(笑)
 
 柴崎さんは中田×川井タッグのホラー映画で活躍する音響効果スタッフです(『リング』『仄暗い水の底から』『クロユリ団地』など)
 川井さんいわく「この部分に音楽をつけようかな、と思うと柴崎さん(の効果音)と被っちゃう」とのことです(『仄暗い〜』特典映像より)

 監督が中田さんではない今作で、柴崎さんに招集がかかったのは、「川井さんとの相乗効果が高い」と判断されたという、いわば「お墨付き」だと私は思うのであります。

 今作では、柴崎さんの音響効果なのか、川井さんの音楽なのか判然としない「音」もありました。
 使用曲数は(およそ)22曲。およそ1分から2分程度の短い曲ばかりで、「サントラが出ないのは無理からぬことかな」とも思われます。
 
 でも欲しい! と思うのは川井さんのファンだから。続編の公開もあるので、メーカーさんへ「1&2のサントラをお願いします」とみんなでメールを出しましょう!
 キューンミュージック宛 http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/kioon/
 角川映画http://www.kadokawa-pictures.jp/companyinfo/contactus.shtml
 サントラが出た暁には、曲数の答えあわせが楽しみです。
 
 ところで『機動警察パトレイバー』でおなじみの伊藤和典さんが脚本協力としてクレジットされていますが、どのあたりに関わられたのかはわかりませんでした(ご存知の方、教えてください)
 
 本編ラスト、俗に言う「川井節」の魅力あふれる美しいコーラスが入り、メインキャストがクレジットされた後に、「世の中みんなつくりものだから」、エンドロール後には「さあ、もう一回はじめよう」と意味深なセリフが登場し、終わります(エンドロールの曲はシドの歌う『S』。作曲:御恵明希

 続編映画『貞子3D2』(2013年8月30日公開予定。音楽は引き続き、川井さん担当)も控えているので、ご興味のある向きは、『リング』シリーズや、中田×川井作品で復習してみてはいかがでしょうか。

≪了≫