ほぼ隔週刊けんじけん

作曲家:川井憲次に関する最新情報を集めている憲次力研究所(けんじけん)のブログです。

『花燃ゆ』メインテーマ e-onkyo music独占先行配信スタート& 川井憲次トークライブ・ ハイレゾ視聴会 レポート(後編)

ライター:こかぶん(twitter : @kokabun)


【『花燃ゆ』ハイレゾ音源の試聴】


小林:では今回はハイレゾの試聴会なので曲を皆さんで聴きたいと思います。最初は『花燃ゆ・メインテーマ』です。


〜試聴〜


小林:テーマ曲で印象的なのはコーラスですね。


川井:歌を入れたいというオーダーがありました。作曲にあたり吉田松陰の『留魂録』を読んで、今回のテーマ曲の歌詞になりました。あと、妹の文が主人公だったのでコーラスは自然体で優しい感じが良いと思い、行き着いたのが志方あきこさんでした。


小林:では引き続き『日の本の大樹〜松蔭のテーマA』、『大輪のごとく〜文のテーマA』です。


〜試聴〜


小林:この音響システムで聴いてみていかがですか?


川井:良いんだと思います。あ、わかりました。ダイナミックレンジが違うんですね。


小林:文のテーマでは弦の高い音が聞こえますが?


川井:これは「サントゥール」という楽器です。普通は弦を叩くのですが、叩くと(音に)ピークが出るので、指でならしているんですよ。似た楽器に中国の揚琴(ヤンチン Yang-Chin)などがあります。


川井:今回は家族愛というテーマもドラマに含まれるんです。あと、主人公の文のテーマでは文からの目線、寅次郎を見る目、好きな人を見る目、そして真の強さというものを音楽で表現できないかと思いました。


小林:作曲にはどれぐらい時間がかかったんですか?


川井:メロに関してはすぐ決まったのですが、構成に時間がかかりました。


小林:今回はいつもの大河とは違い、時代を作った人物が主役というわけではないですしね。


川井:あと今回プロデューサーからは「前向きで、聴いている人の元気が出るような音にしたい」と言われました。おとなし過ぎず、ドカドカとパワフルさが欲しいと。だからエレキギターも使ってくれて良いとのことでした。ただ、シンセの音を使うのは違うと思いました。そこはドラマの時代に合わせました。


【音楽メニューについて】


川井:NHKさんから発注される音楽メニューには、すでにタイトルがちゃんとついているんです。


小林:人物のテーマ曲というものも含まれますね。


川井:はい。高杉晋作のテーマもあるんですが、普通のドラムセットは合わないと思い、すべて和太鼓にしています。


小林:大河ではどのぐらい作曲されるのですか?


川井:1回目のレコーディングで63曲書き下ろしました。現在2回目の収録中です。
最初の予定では1回目50曲。2、3回目は20曲ずつでしたが。


小林:では全体で軽く100曲は超えてしまうんではないですか?


川井:そうなりますね(笑) 2回目はすでに39曲書いてます。


小林:今回発売されたサウンドトラックは全29曲ですよね。サウンドトラックには「vol.1」と銘打ってるわけですから、これからCDはいくつ発売されていくんでしょうか。これは(発売元の)VAPさんに期待するしかありませんね(笑)
サウンドトラックの最後の曲はギターの曲ですが?


川井:「川井さん、ギター弾いてください」とオーダーがありました。


小林:『花燃ゆ紀行』の曲はあのパターンだけですか?


川井:いえ、4回分録音します。これから他のレコーディングしますよ。


【川井さんへの質問コーナー】


小林:では時間も迫ってまいりましたので、最後に質問コーナーとなります。トークイベント前に皆さんから記入していただいたものから選びたいと思います。


質問: 「TV、映画で曲作りを区別することはありますか?」


川井:特に区別はしませんが、TVの場合は録り溜めをして音響監督さんが映像にはめていきます。映画は違って、映像に合わせて音楽作りをします。だからそういう意味だと違いますね。


質問:「どういう環境で作曲されますか?」


川井:事務所の2階が作業スタジオになっていまして。そこでしか曲作りはしません。外で作曲ということはなく、スタジオにこもります。良い意味で自分を追い込みます。


質問:「オーディオに対してこだわりはありますか?」


川井:これを話し出したら止まりませんよ。2分で話せることですか?(笑)
ヘッドフォンは業界の標準機であるSONYMDR-CD900STしか使いません。スタジオミュージシャン達はレコーディング中、あのヘッドフォンを使って大音量で聞いているんです。なぜかというと、自分の演奏の音ばかり聞こえて他の音が聞こえなくなってしまいますから。あのヘッドフォンは大音量でも音が割れることはないんです。ただあのヘッドフォンの音はカチカチです。


スピーカーは大事ですね。自分は地味な音のするスピーカーをチョイスします。モニタースピーカーは全部の音が聴こえるのが大事ですから。偏った音のするスピーカーだと、レコーディングの時と普段聴く時に差が生まれてしまいますので。自作スピーカーがあるのですが、それはウルトラ地味です。あと、学生の時は、自分のお金の中で試行錯誤して良い音を追求しました。当然、お金がいっぱいあれば良い音が手に入るのですが、自分のできる範囲で工夫すると面白いですよ。


今はMP3(などの圧縮音源)で手軽に音楽が楽しめるのが現状だと思います。そのスタイルを否定するつもりはありません。ただ、少しでも良い音で聞いてくれたら嬉しいですね。見えない音が見えてきますから。


小林:決め台詞出ましたね〜(笑)


(終)


NHK大河ドラマ「花燃ゆ」オリジナル・サウンドトラック Vol.1 - ハイレゾ音源配信サイト【e-onkyo music】

http://www.e-onkyo.com/music/album/hisn00874/