ほぼ隔週刊けんじけん

作曲家:川井憲次に関する最新情報を集めている憲次力研究所(けんじけん)のブログです。

オススメのアルバム『ばらかもん オリジナル・サウンドトラック』

 たか厨@けんじけんです。
 コミケ3日目の8月17日に、けんじけんブースに、お立ち寄り下さった全ての方々へ感謝と祝福を。
 本をご購入頂いた方々は勿論、立ち読みしてくださった方々も、そこから得た情報を元に、川井さんのCDを買って頂けたのならば、けんじけんとしては、これに勝る喜びはありません。本当にありがとうございました。


 さて今回のブログのお題として取り上げるのは、先月発売されたばかりの川井さんのCD……現在放送中のテレビアニメを彩る音楽が、いっぱいに詰まった『ばらかもん オリジナル・サウンドトラック』です。

 本サントラは37曲収録で、トータルタイムは68分48秒。主題歌、エンディングは収録されておらず、川井さんの手掛けた楽曲のみで構成された一枚になっています。
 1〜2分程度の短い曲が多く、最短の曲で36秒、最長で4分4秒という曲がありますが、この1曲だけが突出して長く、他の曲は全て3分以下です。
 
 37曲全てを解説をするのも、やぶさかではありませんが(苦笑)、誰も付いてこないと思うので、37曲の中で、とくに筆者が印象に残った曲について、書かせて頂きます。
 な〜に、たったの11曲ほどです(苦笑)


 サントラの1曲目『島のこども、なる』。曲が始まって早々のリコーダーの素朴で軽やかな響きが、まったりとした雰囲気をかもし出しています。聴いていると、舞台となる五島列島の南国特有の爽快な空気が、肌に感じられるような気分にすら、なってきます。
 トライアングル、木琴の音色が絶妙なアクセントになっているのも聴きどころ。シンプルな楽器編成ながら、とても耳に残る曲ですね。
 本作のメインテーマとも言うべき曲で、第一話で7才のヒロイン・なるが初登場するシーンで使われました。
 

 4曲目『陽気な島の子供たち』は、牧歌的なメロディが、とても心地よい曲。ザッザッと入る打楽器の音が、まるで酒席の際に打ち鳴らされる手拍子のようで楽しいです。


 8曲目『知らないって怖い』は、ホラー映画の音楽のような緊迫した雰囲気の曲で、本サントラ中では異彩を放っています。


 9曲目『タマの心の中』。気だるさのあふれる曲で、これまた異彩を放っています。この曲名のタマについて解説すると、猫の名前ではなく、新井珠子、通称・タマと呼ばれる中学生2年生の腐女子のことです。このタマがただならぬ女の子で、曲名通り、正に彼女のただならぬ心象風景を映し出したような曲です。


 10曲目は本サントラ中、一、二を争うスピード感、疾走感のある曲ですが、曲名を確かめると、『ごめんなさいっ!』なので笑いました。たぶん、いたずらをした子供が、怒る大人からダッシュのスピードで逃げるイメージなのでしょう。 
 この8曲〜10曲目の流れが、本サントラ中では、筆者はとくにお気に入りです。異質な曲が2曲続いた後に、解放感のある軽快な曲になるのがクセになる気持ちよさと言いますか。
 
 12曲目『子供の勘違い』。リコーダーの合奏が耳に残る曲です。川井さんが自ら演奏されたトライアングルの「チーン♪」と調子の外れたリコーダーの音が、間の抜けた空気を漂わせていて、これまた心地よいです。


 16曲目。「何事が始まったのか?」と思わせる壮大なイントロの曲。コーラスがただならぬ雰囲気を伝えてきます。でもタイトルは『タマのマンガ愛』(苦笑) タマがどんな内容のマンガの描き手なのかを知っていると、この曲名は正にドンピシャで、このネーミング・センスには脱帽です。
 第3話で、タマが自作マンガを、主人公・半田に披露するシーンで、実に効果的に使用されていました。


 26曲目『負けるもんか!』。行進曲風の曲調で、実に高揚感があります。合間に鳴らされるトランペットがさわやか。町の運動会の入場曲に使えそうな元気いっぱいの曲です。


 32曲目『ギャップと勘違い』。雨だれのような軽やかなピアノで始まる曲。聴いていると、気持ちがふっくらしてくる、不思議な曲です。


 33曲目『人懐っこい子』。『島のこども、なる』でも使われた、印象的なモチーフを壮大に演奏していますが、決して大げさになりすぎないのが、『ばらかもん』の作品世界に合っているかと。アクセントとして入っているアコーディオンが楽しい、心弾む曲です。本サントラでは「子」が曲名に入っていると、基本、リコーダーのパートがあるのですが、この曲にだけはありません。


 37曲目『人は人から学ぶもの』。演奏時間4分4秒で、本サントラ一番の大曲。青い海に包み込まれていくような気持ちのよさ、安心感がある曲です。本サントラでは大活躍のリコーダーがここでも吹き鳴らされ、それをストリングスその他が優しくフォローしていきます。
 そして曲の最後の最後で絶唱される楽器は××××。実に『ばらかもん』らしいですが、その楽器が何かは、本サントラを購入されて、是非、ご自分の耳でお確かめ下さい。
 本サントラのラストを飾るにふさわしい曲だと思います。


 サントラを通して聴いた感想を一言で表現すると「癒されるなぁ〜」になるでしょうか。
 本編は、東京で暴力沙汰を起こし、書の道にも迷いを抱くようになった書道家の半田が、逃げるように五島列島で暮らし始め……。かの地の自然や人々の機微に触れることで、半田はやがて迷いから解放され、自らの道を見いだしていくというストーリーです。
 この半田の心の道程を、音楽で辿れるように、サントラの曲順も構成されているように筆者には感じられました。
 シリアス曲、コメディ曲のバランス配分も絶妙で、過酷な日常に疲れた心がゆるゆると解放されていくような気分になれるサントラです。
 夏バテ回復にも効きそうな、この一枚。お手元にいかがでしょうか?