ほぼ隔週刊けんじけん

作曲家:川井憲次に関する最新情報を集めている憲次力研究所(けんじけん)のブログです。

『闇商売』における考察

残暑お見舞い申し上げます。当サークルの本をコミックマーケットでお買い上げいただいた皆様、手に取って見てくださった皆様、ありがとうございました。ほんの少し売り子体験をしましたガチョピン@けんじけんです。

今回紹介するのは、川井さん初の連続テレビ小説梅ちゃん先生オリジナル・サウンドトラック1』より、『闇商売』です。放映当時、梅子の叔父・陽造が登場するとこの曲が使われていて、「いかにも胡散臭い」演出を担っていました。他にも山倉のシーンや、「いや、そうじゃなくって」と、ボタンの掛け違いをうまく口に出せない心情、「えぇーどうなるのー?」と困惑する梅子の表情で次回につづく、などの場面でも、使われていました。
『闇商売』は冒頭、ティンパニー(or大太鼓?)のような低く大きい音に鉦(「かね」と読む。祭囃子や阿波踊りで使われる小さな鳴り物)のような楽器がかぶさりながら始まります。0:09頃より、「怪しいチンドン屋」風の主メロが流れてきます。 憶えやすいメロディーなので、今でも私はよく口ずさんでいます。

この「怪しいチンドン屋」は「川井節」を語る上で欠かせない要素かな、と思います。また「川井憲次の音楽の引き出しは一つしかない。だがその引き出しは怖ろしく深い(by田中公平)」の根拠のひとつでは、と思います。
 
この「チンドン屋系」、川井映画にはなかなか登場しないジャンルで、テレビシリーズならではの曲といえるでしょう。『梅ちゃん先生』はジャンルでいえばホームドラマで、川井さんの作品群の中で、最近では数が少ないタイプです。過去の例でいえば、『赤ちゃんと僕』『円盤皇女ワるきゅーレ』『めぞん一刻』といったところでしょうか。
 
鉦が効果的に使われた曲といえば、他に『円盤皇女ワるきゅーレ』の『七狐神社』や、『めぞん一刻』の『宴会は玄関で』などを挙げることができます。鉦が加わることにより、チンドン屋やお祭り感をイメージさせ、非常に効果の高い楽曲に仕上がります。
 
お祭り感の演出には十分ですが、それが「阿波踊り」につながらないのは、川井さんが関東の方だからでしょうか。もし、関西の出身だったらどうなっていただろうと妄想がふくらみます。