ほぼ隔週刊けんじけん

作曲家:川井憲次に関する最新情報を集めている憲次力研究所(けんじけん)のブログです。

スターシップ・オペレターズ

 たか厨@けんじけんです。
 今回のお題はテレビアニメ『スターシップ・オペレーターズ』です。

スターシップ・オペレーターズStarship Operators)』
放送期間:2005年1月5日〜3月30日(全13話) テレビ東京系放送
原作:水野 良
監督:渡部高志
シリーズ構成・脚本:富沢義彦
キャラクターデザイン:松本文男
メカニックデザイン山根公利
音響監督:なかのとおる
音楽制作:ジェネオンエンターテイメント
音楽協力:テレビ東京ミュージック
アニメーション制作:J.C.STAFF
キャスト:伊藤静渡辺明乃浅野真澄榎本温子ほか
 ※角川グループ創立60周年記念作品

 本作を今回取り上げようと思ったのは、先日、原作者・水野良氏のブログで、本作の小説版の行く末に関する発表を読んだからです。

 水野良のYeah!&Boo!
 http://mizunoryo.net/yeahboo/?m=20120327

 要約すると『未完のままシリーズの刊行終了』とのこと。水野良氏の原作で、やはり川井さんがテレビアニメ版('01)の音楽を担当された『魔法戦士リウィ』の小説版が無事、完結したのとは、正に対照的な運命を迎えました。 
 そんな不遇な本作に、少しでも光を当ててあげたいと思い、今回のお題としてみました。

 本作のサントラは一枚のみ発売されています。川井さんの担当ではないオープニング&エンディング曲のテレビサイズ2曲を含め、全37曲を収録し、アルバムのトータル・タイムは61分となっております。
   
 作品世界を少し解説しますと、未来の宇宙を舞台に、若者たちが操る宇宙戦艦が単艦で、祖国を侵略した国家と戦うという『宇宙戦艦ヤマト』以来のフォーマットを受け継いで、よりリアルに、現代風にアップデートした世界観となっています。
 宇宙戦闘機やロボットの類の有人の高機動兵器は登場せず、あくまで艦対艦で、じっくりと多大な時間をかけて宇宙戦闘が行われます。
 その世界観のせいか、後に川井さんが担当した、宇宙を舞台にモビルスーツが縦横無尽かつスピーディーに戦いを繰り広げた『機動戦士ガンダム00('07〜10)』の音楽に比べると、アップテンポな曲やスピード感のある曲は少なめかと思います。
 
 では筆者が印象に残った曲を幾つかご紹介しましょう。
 物語の主役である宇宙戦艦を描写した『護衛艦アマテラス』『全艦発進』は雄大な曲想の2曲です。ゆったりとしたテンポで曲が展開され、戦艦の巨大さを表現することに成功しています。
 『〜アマテラス』は本作のメインテーマ的存在の曲でもあります。そのモチーフを展開させた曲『カウンター』は、主人公たちが絶体絶命の危機から反撃に転じるシーンなどで効果的に使われ、存在感を放っていました。

 また戦艦は、若者たちの生活の舞台でもあります。心休まる日常曲でトランペットがアクセントになっている『キャンパスライフ』、軽快なフルート曲『等身大の日常』が、彼らの生活描写に色を添えていました。
 他にも『索敵』『敵襲』『絶体絶命』『敵艦撃破』など戦闘関連の曲も充実し、そして戦いの犠牲者に捧げる『レクイエム』まである用意周到ぶり……まさに『宇宙戦闘の全てが詰まった一枚(笑)』と言えましょう。 
 ピアノ好きの筆者と致しましては、ピアノの連打が緊張感をはらんだ空気を醸し出す『ブリーフィング』と哀切なメロディを奏でるピアノが印象的な『孤独』が、特に味わい深かったです。
 
 以上、「地味ながら、なかなかバランスの取れた名盤」だと個人的には捉えています。曲数も多くてお得感がありますしね。
 興味を持たれた方は、このサントラを聴きながら、秋の夜長に、無事完結を迎えること叶わなかった本作の原作(6巻まで発売)に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?