ほぼ隔週刊けんじけん

作曲家:川井憲次に関する最新情報を集めている憲次力研究所(けんじけん)のブログです。

オススメの曲 『風の始まり』(風人物語 オリジナル・サウンドトラック )

どうも、寒さがしみるももんがです。


初めてそのサントラを聴いたときの衝撃をよく覚えています。「けんじけんの同人誌『Kとれ(川井憲次CDデータブック K-TREASURE)』に載せるレビューを書く際には絶対に立候補しよう!(握り拳)」と決意した作品。それが『風人物語』(2004年作品)です。


風人物語』は中学生の日常を描く作品です。なのに「風使い」とか「風ねこ」とか全然日常ではないものが登場するし、とっくに中年の仲間入りをした身では今更中学生の日常に感情移入もできず、何より画が苦手という致命的な問題を抱えつつも最終話まで見ましたがな。結果、それがトラウマになって音楽もひっくるめて封印してしまうという大惨事に。すぐにサントラが発売されればよかったのですが、発売情報がありながらも「出る出る詐欺」に遭い、本編放送から約二年後、DVDの発売に合わせてようやく発売されました。


このサントラを聴いて、なぜ衝撃を受けたのか。それは月日の経過による記憶の劣化と封印が解かれ、音楽本来の魅力に気付いたからです。
なんとも爽やかな、吹き抜ける風のようなサントラでしょう! ……おっと、すっかり忘れておりましたが、この作品のテーマは「風」なのでした。忘れていても、しっかり風を感じさせてくれるサントラの中から、本日オススメするのは『風の始まり』です。


一言で言うと、澄んだ大気のイメージ。
止まっていた大気が少しずつ動き出し、柔らかな風が頬に触れる。心がふっと軽くなる、そんな曲です。風をイメージさせるフルートと、その背景で鳴っている木の葉の上の朝露のような音色が印象的です。「心が洗われる」とはこういうことなんだな、と心底思いました。


ゆったりと流れる時間に身をゆだねていると、いつの間にか終わっています。『風人物語』サントラの劇伴で最も長い曲(約2分51秒)ですが、なぜだか短く感じるのです。「ゆったり」なのに「短く(=早く終わるように)感じる」とは、一見矛盾しているようですが、心が開放されて時間が経つのを忘れてしまう……とでも言えば良いでしょうか。
みなさんにもぜひ、穏やかな時間と爽やかな風を感じて頂きたいと思います。