オススメの曲『二人の軽井沢』(機動警察パトレイバー PHASE V)
【作曲家・川井憲次の楽曲について、色々語ってみるブログ/第42回】
えすえすです。今年もけんじけんをよろしくお願いします。
今日の話題は、川井さんもインタビューで大好きな話だといっていた、パトレイバー新OVAの『二人の軽井沢』です。僕も最近改めて本編を見たのですが、大人になってようやく面白さがわかったような気がしてます。
この話、とても微妙な男女の心の動きを描いていて、言葉に表れていない部分が独特の情緒を醸し出しているため、作曲者としては難しさもあったと思います。たとえばもっとコミカルなリズムにすることもできたろうし、あるいは音の強弱で心情を強調する方法もあったと思います。結果としてはそういった技巧というか誇張や脚色をせずに、心の機微を大切にした優しい曲になってます。
そしてそれは、実は川井節全般にも共通することだと思います。押しつけがましくないけれど、こちらが注意深く聴くと発見できる工夫がある、そんなところに作曲者の人柄が表れているように思うのです。
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